整形外科

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骨折や脱臼は食欲や元気がなくなっていたり、逆に食欲や元気が変わらないように見えたり、個体差が大きい傷病です。
また交通事故なでで、骨盤骨折や脊椎骨折を引きおこすと立ち上がったり排泄もできなくなり、命にかかわりますので早めに動物病院を受診しましょう。

こんな症状ありませんか?

  • 痛めた足を地面に着かないようにして歩いている
  • ぶつけたり挟んでしまい、患部が熱を帯びている
  • 痛めた箇所が腫れる など

上記のような症状があればまずは気軽にご相談ください。

骨折について

最近では、骨格の細い犬種の骨折が多くみられます。トイプードルやパピヨン、チワワなどは高い場所からの落下や滑って転倒する、他の犬とのケンカで骨折することがあります。特に前肢の骨折が多くみられます

骨折の治療は、骨折部位や折れ方、わんちゃんの飼育環境、性格、年齢などによって治療方法を選択する必要があります。治療が完治するまでは平均2~3ヶ月かかりますので、治療期間中は折れた骨が動かないようにプレートやギブスで固定を行います。
固定方法は、プレートやピンによる手術を行い、皮膚の内側から固定する内固定、手術をせずにギブスで固定する外固定、骨にピンを刺入し、皮膚の外側でピンを支える創外固定がありますが、骨折部位や骨折の形状、患者さんの年齢や飼育環境、性格等を考慮し治療法を決定します。

骨折の治療で重要なのは、骨折部位の十分な安定化であり、多くの場合手術による確実な固定が必要となります。

骨折の主な症状

大腿骨骨折

この骨折は後足、太もも部位を構成する長骨の骨折で、骨折全体でも比較的起こりやすい部位です。大腿骨骨折は交通事故や高所からの墜落などの強い衝撃が原因で起こります。
特に交通事故の場合は粉砕骨折も起こりやすく、力がかかる大きな部位なので、早期に適切な治療を行わないと、骨が上手くつながらなかったり、骨髄炎がおこってしまいます。

橈尺骨骨折(前腕骨折)

前腕の骨折で、特に小型犬によくみられる症状です。落下や転倒で骨折が起こります。体が小さいほど治るのに時間がかかり、血流が乏しい骨のため、他の骨折に比べても骨がうまくくっつかないことが起こりますので、早期に適切な治療をする必要があります。完全骨折をしている場合は、ギブスでの治癒は難しく外科手術が必要となります。

骨盤骨折

骨盤骨折の多くは交通事故により起こります。骨盤骨折は1か所だけでなく、複数個所で骨折が起こります。
また、通常は他の骨折に比べて周囲の筋肉の損傷が激しく、痛みも強いです。骨盤骨折は排便困難なども起こるため基本的にはほとんどの症例で手術が必要です。

膝蓋骨脱臼

膝蓋骨とは膝にあるお皿状の骨で、この骨が内側や外側にずれる病気です。特にトイプードルやチワワなどの小型犬は、内側に外れる膝蓋骨内方脱臼がよくみられます。
膝蓋骨脱臼は先天性であることが多いため、4~5ヶ月齢から症状が起こることがあり、脱臼を起こすとさらに筋肉の不正や骨の奇形が生じて悪化していく傾向があります。
年齢、病気の状態、痛みの状態によって治療法を選択しますが、治療は内科治療と外科手術による矯正を行います。内科治療は、鎮痛剤やサプリメントの使用をしますが、手術では、将来的な関節炎や靭帯断裂の予防を考えて行います。

前十字靭帯断裂

前十字靭帯とは大腿骨と脛骨(すねの骨)をつなぐ靭帯で2本あります。この2本を前十字靭帯、後十字靭帯と呼び膝を安定化させる靭帯です。犬は前十字靭帯の損傷をすることが多く、切れることで膝の安定性が失われ、痛みや違和感により歩行異常がみられます。
診断は歩行検査、触診とレントゲン検査で行いますが、これらの検査で判断が難しい場合はMRI検査をお願いする場合もあります。
十字靭帯の治療には外科手術が必要で、手術により膝を安定化させます。正常な膝の機能を取り戻すことで将来的な関節炎を防ぎます。

股関節形成不全

股関節形成不全は成長期における発育不良や、遺伝などが原因でおこります。大型犬に多くみられます。痛みを示すことは少なく、遊んでいるときや散歩中になんとなく不安定な歩き方をしていたり、後ろ足がふらついていたりします。
股関節形成不全をそのままにしおくと、間接軟骨の浪費がおこり、関節炎をおこしやすくなってしまいますので、異常がみられたら早めに動物病院におこしください。

椎間板ヘルニア

背骨の骨と骨の間にはクッションがあり、その部分を椎間板と呼びます。そしてその椎間板が異常をおこし、脊髄が圧迫されることで痛みや麻痺などの症状が起こります。
椎間板ヘルニアはダックスフンドやコーギーの胴長の犬種だけでなく、すべての犬種にみられます。
症状としては、腰を丸めていたり、抱き上げたときに「キャン」と鳴いたり、元気がない、触るのを嫌がるなどがサインです。
椎間板ヘルニアが重症だと、後ろ足を引きずる、排尿障害や麻痺がみられることがあります。椎間板ヘルニアの症状がみられた場合は、早めの治療が必要です。
治療はグレードに合わせて内科的治療(鎮痛剤やステロイド療法)と外科手術があり、病気のグレード、動物の状態を考慮し治療方法を選択いたします。
外科手術の場合は、脊椎の状態をみるためにCT、MRI検査(検査センター、大学病院を紹介いたします)を行い、病変の部位、病態を確認して手術の方法を選択します。