初めて子猫を飼う方へ

初めて子猫を飼う方へ

初めて子猫を飼う方へ

新しく子猫を迎えたら

新しく子猫を迎え入れたら、まずは環境に慣れさせることを第一に考えてあげましょう。
子猫は、はじめての環境に緊張しているため、暖かく静かな環境で安心安全を感じてもらいましょう。
可愛くてたくさんかまってあげたいと思いますが、子猫は不安を感じやすいので、かまい疲れしないように、はじめは話しかけたりせず、無言で過ごしましょう。
また、猫はよく眠る動物ですのえ、寝ているときは邪魔せず、ゆっくり眠らせてあげましょう。

子猫を上手に育てるコツ

まず猫を飼う上でのポイントは家から外に出さないということです。
屋内で飼うことで猫エイズや猫白血病ウイルスといった恐ろしい感染症、交通事故などから守ってあげることができます。

ごはん

「総合栄養食」のキャットフードをあげましょう。ドライとウェット(缶)がありますが、それぞれに特徴があり、一概にどちらが良いということはありません。猫は通常は食べ過ぎることは少ないですが、食欲旺盛な子や嗜好性の高いものを与えすぎると肥満の原因になるので注意が必要です。また避妊去勢手術後はかなり太りやすくなるため必ず体重と食事量の管理をしましょう

トイレ

猫は通常トイレのしつけは必要ありません。なぜなら特定の場所に排泄する習性を持っているからです。次のポイントに注意してトイレを準備しましょう。

  • 落ち着ける場所にあること
  • トイレのサイズは小さいより大きいこと、屋根付きではないこと、トイレ砂がより小粒であること(がベター)
  • トイレの数は飼育匹数プラス1つが基本(1匹なら2つ、2匹なら3つ)

 

生活環境

猫は進化の過程で、樹上で生活する形をとりました。そのため平面的な生活空間ではなく、高さを取り入れた立体的な生活空間を用意しましょう。つまり「広さ」よりも「高さ」が重要です。
またその子の性格にもよりますが、人目につかない隠れられる場所も用意しましょう。

 

動物病院の診察の流れ

それぞれの月齢の特徴や、主な診察、予防接種などを紹介します。

2~3ヶ月齢(1週間)

捨て猫の場合はもちろんですが、ペットショップから購入した場合もなるべく早く動物病院へ連れて行き、健康診断を受けさせましょう。特に猫のウイルス性疾患にかかっていれば、早期の治療が必要です。母猫から病気を受け継いでいるケースもあるので、きちんと検査をしてもらいましょう。仮に病気じゃなかったとしても予防するワクチン接種が必要です。

離乳から離れると親譲りの免疫が少なくなり、子猫は病気にかかり易くなります。早めにワクチン接種については獣医師と相談しましょう。2回目の混合ワクチンでは、親譲りの免疫がほとんどなくなっているので無防備な状態です。しっかりと予防を行い、自由に遊ばせて快活な子猫に育てましょう。

初回健康診断

おうちに来て1週間程度が経過し、新しい環境に慣れた頃に受診すると良いでしょう。
一般身体検査、先天性疾患の検査、混合ワクチンの接種、寄生虫予防等の実施が可能です。

3~4ヶ月齢(1ヶ月)

足腰がしっかりして少し早く動けようになり、自力で離乳食が食べられるようになります。ペースト状のものだけでなく、子猫用のドライフードをペーストと同じ触感になるまでふやかした状態からスタートするのも良いでしょう。
他の猫がいれば、お互いに噛みついたり、引っ掻かれたりして、痛さの限界を覚えますが、一人っ子だと、加減がわからなく育ってしまうので、人の手や足に噛みついてきたら動きを止めて待ちましょう。

1ヶ月後健診

初回の健康診断の後、1ヶ月後の健康診断を受診します。
おうちでのケア(耳掃除、爪切り、歯みがき、肛門腺など)のお話

4~5ヶ月齢(2ヶ月)

生後2ヶ月になると、ふやかしたドライフードでなくても堅い状態で食べられるようになってきます。また食事は1日3回、時間を決めて与え、水はいつでも飲めるように室内に置いておきます。トイレも自力で出来るようになりますが、まだおしっこを我慢することができないので、室内に数か所トイレを用意しすぐ使えるようにした方がいいでしょう。

2ヶ月後健診

一般身体検査の実施に加え、は2回目混合ワクチン接種を実施します。

5~6ヶ月齢(3ヶ月)

生後3ヶ月になると体力も成長も著しく伸びてきます。最初は、おどおどして動けずにいても少しづつ行動範囲を広げ、ちょっかいを出したり走り回ったり噛むこともあります。子猫が寝るときは人間の赤ちゃんと同じように回りの環境に慣れる大切な時期なので、ゲージの中に猫用のベットや柔らかいタオルをひいて子猫に安心感を与えましょう。

3ヶ月後健診

一般身体検査の実施に加え、触診にて骨や関節の検診も行います。
またこの時期にウイルス検査を実施することで、精度の高い結果を把握することが可能です。

6~7ヶ月齢(4ヶ月)

この頃になると歯が永久歯に変わる時期になります。歯に違和感を感じるためか、人にかみついたりすることも増える時期になります。
また、避妊・去勢手術が可能になります。
まだ子猫だと思っていたのに、気がついたら妊娠していた…という話もよくありますので、子猫のうちに去勢・避妊を検討しましょう。

通常検診

体重測定、体温測定、触診、視診、聴診
1ヶ月に1度、定期的に健康診断にお越しいただく事をお勧めします。

7~12ヶ月齢

混合ワクチン追加接種(年1回)
健康を維持するためには、バランスのとれた食事と清潔な環境が大切です。

予防接種について(混合ワクチン)

混合ワクチン

混合ワクチンは、基本的にヘルペス・カリシ・パルボの3種類のウイルスに対する3種混合ワクチンの接種を行います。
5種混合ワクチンは特定の場合に実施します。(他頭飼いで猫白血病ウイルスキャリアがいる場合、やむを得ない事情で屋外に出てしまう場合など)
猫白血病ウイルスに感染すると、3年以内に8割近くの猫が悪性腫瘍を発症し、亡くなります。5種混合ワクチンを接種したとしても猫白血病ウイルスの感染を完全に防げるわけではないので、キャリア(猫エイズの菌を持つ猫)との接触を避けましょう。

フィラリア予防

もともとフィラリア予防はわんちゃんで必須の予防とされてきましたが、近年は猫でも相当数が感染して亡くなっているので事前の予防が大切です。5月下旬〜12月上旬の間、毎月1回予防薬を投与します。

ノミ・ダニ予防(3月~11月)

子猫が屋内飼育では必要ありません。

避妊手術・去勢手術

避妊手術に関しては、予定しない妊娠の回避や、発情期のストレス軽減、病気の予防があげられます。乳腺腫瘍(乳がん)の発生リスクが低下させ、ほとんどの子宮の病気を予防することができます。また女の子は春から夏にかけて年2~3回発情期を迎えますが、避妊手術を行うことで性的なストレスから解放されます。
男の子の去勢手術のメリットとして寿命が延びることがあげられます。攻撃性の軽減やマーキングの軽減、おとなしくなるため室内飼育の場合、これも利点となります。手術は生後6ヶ月前後から実施することができます。

子猫の症状

下痢

授乳期の子猫の場合、ミルクが冷たかったり濃かったりすると下痢の原因となることがあります。下痢の回数が少なく、子猫が元気な場合は問題がないケースも多いのでミルクを与えずに、半日くらい様子をみましょう。
また、回虫やコクシジウムなどの寄生虫にかかっていることもあります。母乳や母猫のウンチから感染するので、生後数か月までの子猫に多くみられます。寄生虫の場合は経口薬を処方します。
ウィルスや細菌による感染症にかかると、消化不良を起こし下痢になるケースがあります。感染症は最悪の場合死にいたることもありますので、ワクチンの接種を行いしっかりと予防しましょう。
その他にも下痢の原因は異物を飲み込んでしまったりストレスの場合などがあげられます。

嘔吐

子猫はほとんど嘔吐をしないため、子猫の嘔吐が見られる場合は、何らかの病気が疑われます。嘔吐を何度も繰り返してる場合は早急に動物病院を受信しましょう。
子猫が嘔吐する場合、吐瀉物の確認が必要です。食べたものがそのまま出ているか、消化されているか、チェックし吐瀉物を持って速やかに動物病院に連れていきましょう。

異物誤飲・誤食

わんちゃんに比べると、子猫の誤食は少ないです。とはいえ、小さなおもちゃを飲んでしまったり、食べてはいけない物を食べてしまうことはありますので、普段から異物を飲み込まないように気を付けておく必要があります。
間違って飲み込んでしまい、対処が遅れると炎症を起こして酷い時には腸に穴が開いてしまうこともありますので、早めに動物病院に相談しましょう。

感染症

ウィルスや細菌の感染から、子猫の咳や鼻水の風邪のような症状をもたらす症状があります。猫風邪の代表的なものとして、“猫カリシウィルス感染症”と“猫ヘルペスウィルス感染症があげられます。
これらのウィルスは感染猫との接触を介して強力に感染が広がっていきます。
猫ヘルペスウイルスは子猫の時に感染してしまうと、回復した後もずっと保有し、成猫になってもストレスがかかったり、免疫がさがった時に、風邪症状を再発することがあります。
予防としては、混合ワクチンなどがありますが、発症を予防するものなので、ワクチンで完璧に予防することはできません。特に感染猫が近くにいるた場合には十分注意が必要です。

骨折脱臼

室内で暮らす子猫では低い段差からの落下で骨折します。例えばゲージに上っての落下や階段やバスタブなどの高さから落下し前肢を折るケースは以外と多いです。高い場所よりも低い場所だと子猫が受け身をとる時間がとれずに、骨折してしまいます。
四肢を骨折した場合は、骨折した足をかばって歩きますが、顎を骨折した場合は見た目で判断がつきにくいです。段差から落ちた後に食欲をなくしているような場合は早めに動物病院を受診しましょう。
交通事故・落下事故の場合は、体全体に強い衝撃を受けているので、骨折・脱臼だけでなく、神経や内臓にも損傷を受けているケースがあり、ダメージが大きい場合は命に関わる危険性がありますので、早めに動物病院に相談しましょう。

低血糖

子猫の低血糖症の症状としては、ぐったりしていたり、意識がない状況が見受けられます。低血糖症は体の冷え、空腹、内臓障害による栄養吸収の悪化が原因だと考えられます。生後間もない子猫は血液中のグルコースという成分を補う力が弱いため、半日の絶食でも低血糖症を引き起こす可能性があるので、要注意です。
痙攣やぐったりしてる症状が見受けられた場合、速やかに獣医師の判断を仰ぐようにしましょう。