ねこの去勢・避妊
cat-spaying-and-neutering-surgery高周波シーリングシステム“Maxium”を全手術で使用しています。
通常の避妊手術では糸を使って血管を縛る(結紮)する必要があり、この手順に非常に時間がかかります。また結紮にはある程度の熟練が必要で、卵巣を取り残してしまう手術の失敗、不完全な結紮による出血事故、他の臓器を巻き込んでしまう事故などのリスクが有り、肥満動物などではこのリスクが高まります。
高周波シーリングシステムを用いることで血管の結紮をする必要がないため手術時間と全身麻酔の時間を大幅に短縮できます。また各リスクを低減します。さらに体内に体にとって異物となる結紮の糸を残さないため体に優しい手術が可能です。
愛猫にとって、避妊去勢手術は一生に一度の大切な手術です。当院では一例一例に全力を持って取り組んでいます。ご心配のことがありましたら遠慮なくご相談ください!
避妊・去勢手術の大きな目的は、動物自身の病気を予防し生活の質を向上させ、人間社会の家族の一員として中で長く幸せに暮らすことです。また、望まれない不幸な動物を増やさない目的もあります。
男の子なら、精巣の腫瘍の予防に効果があります。女の子なら子宮・卵巣の病気、乳腺腫瘍などの予防に効果があります。猫の乳腺腫瘍はそのほとんどが悪性である乳がんのため、その予防は非常に重要です。
オス猫のスプレー行動(マーキング)、メス猫の強い発情などの性行動は、動物にとっても人間にとっても大きなストレスになります。手術により動物と家族がより良い関係を築くことが可能になります。
以前に比べると大きく減少しましたが、いまだに全国では年間に6万匹以上の猫が殺処分されています。「うちの猫は外に出ないから。」という声も聞きますが、猫は容易に屋外に脱走することができますし、災害時に多数の猫が屋外に逃走することもありえます。不妊手術を行うことは一つの命に対する責任ではないでしょうか。
当院では健康・成長状態などから、最適な時期をご提案するようにしています。まずは遠慮なく相談ください。
犬と同様に早期手術が乳腺腫瘍の予防に繋がります。6ヶ月までに避妊手術を行うと91%予防可能ですが、2才を過ぎてしまうと効果は期待できなくなります。(参考文献:Overley B,JVIM,2005)
当院では動物の負担をできる限り少なくするための安全性の高い麻酔の選択、術後のトラブルを少なくする高品質な合成吸収縫合糸の使用、痛みを緩和する処置を心がけています。
手術に伴う強い痛みは、人間と同様に動物でも感じいて、痛みをコントロールすることで手術後の回復が早いことが論文で証明されています。痛みをコントロールする薬は比較的高価ではありますが、当院では動物の回復を優先し積極的に使用しています。
猫の去勢手術は短時間で終わる基本的な手術のひとつですが、全身麻酔をかけることに変わりはないため、安全・安心を第一に確実で厳重な管理のもとで行っています。
精巣が陰のうの中でなく、皮下やお腹の中に留まっていることを停留睾丸と呼びます。
お腹の中に精巣がある場合は女の子と同じように開腹手術が必要です。
去勢・避妊手術の事故件数は、恐らく手術全体で最も多いと思われます。その理由は最も多く行われている手術だからでしょう。しかし理由は実施件数が多いからだけではなく、去勢・避妊手術は簡単な手術だという認識が、飼い主様だけではなく獣医師の側にも一部で存在していることが、大きな要因となっていると思われます。
去勢・避妊手術は簡単な手術ではなく、件数が多い故に最も慣れた手術といえるでしょう。慣れや油断が事故につながることを理解し、1件1件それぞれに力を尽くす必要があります。
当院では避妊去勢手術においても、手術前の検査、手術室の衛生管理、よりよい道具の選択、安全な麻酔管理、熟練した手術者による執刀と指導、1日の手術件数の制限などを常に実行し、妥協を許さず行っています。これらの手術に対する考えは、すべての手術に共通です。
・血液検査、胸部レントゲン検査
・全身麻酔下での開腹による卵巣および子宮の摘出
・日帰りか1泊2日は相談の上決定
※埋め込み縫合を行うため、エリザベスカラーや抜糸は必要ありません
・血液検査および胸部レントゲン検査
・全身麻酔下での左右精巣摘出
・日帰り
※抜糸は必要ありません
手術を受けると本当に太りやすくなりますか?
同じ種類、同じ量のフードを食べていても太りやすくなることが予想されます。また、食欲が増すこともあります。
これは規則正しい食事、適切なカロリーコントロールとで対応することができますので食事管理について気軽にご相談ください。
手術後のエリザベスカラーを着けたくないのですが
当院ではオスもメスも手術後に皮膚に糸が出ていない状態のため、基本的にカラーをつける必要はありません。また抜糸をする必要もありません。
性格が変わってしまうのでしょうか?
基本的にその猫が持って生まれた性格が変化することはありません。オス猫ではマーキングなどが少なくなり、メス猫では発情行動がなくなるため、少し落ち着いたと感じることがあるのではないかと思います。
麻酔中にマイクロチップも入れることはできますか?
はい、可能です。マイクロチップは太い針を使うので、麻酔中は痛みを感じずに入れることができます。その後の登録の仕方も詳しくご案内しますのでご相談下さい。
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