猫のワクチン接種について解説

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猫のワクチン接種について解説

家で飼っている猫にもワクチンは必要なのか

猫の一般的なワクチンで予防するウイルスは、猫パルボ、猫カリシ、猫ヘルペスの3つです。これらのウイルスに対して完全に無防備の状態は非常に心配です。ウイルスに接する可能性があるシチュエーションとしては、診察で病院を受診する時、避妊去勢手術の時、ペットホテルに預ける時、家から脱走してしまった時など様々です。「特に預けることはない」という声はよく聞きますが、例えばご家族が病気をして入院をすることになったり、急遽家を空けなければいけなくなることはあり得ます。全く外に出さない場合であっても、予防の為にワクチンを接種することを推奨いたします。特に子猫時の複数回のワクチンと、その一年後のワクチンは重要とされています。

 

もしワクチン接種をしない場合はどうなるのか

ワクチンを接種していないという事実だけで感染症を発症することはもちろんありませんし、また飼い猫にワクチンを接種することはあくまで任意であり、法律で義務化されているものではありません。ただ、ワクチンで予防する猫の感染症は感染力が大変強く、様々な経路で感染する可能性があります。ペットホテルや動物病院に飼い猫を預ける場合は、ワクチン証明書が必要になることがほとんどです。
人が接種するコロナワクチンと同様に、ワクチン接種をすることで必ず感染を防げるとは言い切れません。しかし、集団免疫の観点から周りの猫に感染させて流行させるようなことを防いだり、もし感染したとしても症状の程度や治るまでの期間が短くなる場合もあります。

 

ワクチンを接種する場合の注意点

実際にワクチンを接種する場合は、いくつかの注意点に気をつけましょう。今回は5つの注意点についてご紹介いたします。

 

ワクチン接種の推奨時期について

ワクチン接種の推奨時期について、生後8週・12週・16週の3回ワクチン接種を行うことが一般的な時期です。なぜ生まれたばかりの子猫にワクチンをしないかと言うと、母乳に含まれているお母さん猫からの免疫が色々な病気から守ってくれるからです。この免疫は、個人差はあるものの徐々に減少する為、生後数ヶ月経過すると消えてしまいます。免疫がある期間にワクチンを接種した場合でも、効果が十分に表れないこともあるので、何度もワクチンの追加接種をします。また、具体的な接種の時期については、猫の体質や健康の状態が大きく関係する為、動物病院のかかりつけ医へご相談すると良いでしょう。

 

接種前の注意ポイント

ワクチン接種は猫にとって負担が大きいものです。身体の状態が悪いにも関わらずワクチンを接種すると体調を更に悪化させることに繋がります。また、ワクチンによる免疫が獲得出来ない場合もあるので、体調以外にも薬の服用や病気の治療中などの場合は、かかりつけ医にしっかり相談して接種をしましょう。そして、自宅でも飼い猫の様子をワクチン前にしっかり見守って、元気がある普段の状態で病院に連れて行きましょう。

 

ワクチン接種は何回必要なのか

猫のワクチン接種は一定間隔で何度も接種をすることで抗体価が上昇し効果が発揮されます。一般的に日本では、幼少期に2〜3回、その後は1年に1回を目安に接種することを推奨していますが、外国では、3年に1回というガイドラインもあります。猫の日頃の生活習慣や、獣医師の方針にもよってワクチン接種の頻度は変わるので、かかりつけ医と相談して進めていきましょう。

 

どの様にワクチンを接種するのか

ワクチンは注射器を使用して接種します。注射器の大きさは約2.5ml程、針は23〜25Gほどの細いものを使用し、後ろ足に接種することが一般的です。後ろ足に接種する理由は稀に注射した部位に悪性腫瘍のしこりが発生することが報告されているためです(注射部位肉腫)。ただし、猫の性格により後ろ足に接種することが難しい場合は肩・背中・腰付近に接種します。

 

ワクチンの接種後の注意ポイント

ワクチン接種前に体調が良かったとしても、ワクチンの副反応によって接種直後のアナフィラキシーショックや、接種後数時間から翌日くらいにかけての発熱を引き起こす場合があります。その為、ワクチンを接種する時間は午後を出来るだけ避けて、午前中の接種を推奨しています。

ワクチンの接種直後から半日後くらいまでに副反応が起きる場合が多いです。飼い猫の様子がおかしい場合には、動物病院に早急に電話しましょう。

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