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去勢後はおとなしくなる?去勢手術のメリット

2020年06月15日

去勢のメリットは?

マウンティング行為の減少

通常ワンちゃんは、毛布などの布類やぬいぐるみ、人の足元でマウンティング行為をすることがあります。
去勢手術をすることでその行為が見られなくなる傾向にありますが、関係ない場合もあると報告されています。運動不足や躾不足、気分が高揚して行うことも十分考えられます。

集中力が上がる

周囲のワンちゃんへの関心が低くなり、集中力が上がることがあります。

凶暴性や支配性が抑制される傾向にある

去勢手術をすることで男性ホルモンの一種である「テストステロン」が低下し、凶暴性が抑制される傾向にあります。
ただし完全に消失するわけではないため個体差があり、問題行動がある際は特別なトレーニングが必要です。一部の研究ではテストステロンの減少は凶暴性と相関がないとされており、効果があるとは言い切れません。

マーキング行為が減少する

テストステロンの減少により、マーキング行為や足を上げる行為が消失あるいは少なくなる可能性があります。ただし前項同様、必ずしもそうなるとは言い切れません。

周囲のワンちゃんに狙われない

去勢をしていなければ、ライバル視した周囲のワンちゃんが襲ってくる可能性があります。しかしその心配が軽減されます。

メスを追わない

実はメスの発情は、数キロ先からでも感知することが可能です。しかし去勢済のワンちゃんには影響がなく、よだれや落ち着きのない動き、脱走の心配がありません。

前立腺肥大のリスク低減

中には無症状なワンちゃんもいますが、未去勢の場合7歳以上のワンちゃんの80%が前立腺肥大の問題を抱えています。遅すぎるということはありませんので、成犬であっても排尿や排便をつらそうにしていたら手術をご検討ください。
テストステロンの値が低下すると、前立腺が縮小して治ることが大半です。

精巣腫瘍の可能性がゼロに

未去勢のワンちゃんの一部に、精巣腫瘍ができる可能性があります。発症率はわずか7%であるうえに約90%が完治しますが、去勢手術を行えば発症の可能性がゼロになります。
なお1歳以上のワンちゃんの睾丸が1つも降りていない場合、発症率が通常の約14倍に上がります。その場合は手術を前向きにご検討ください。

肛門周囲の病気のリスク低減

肛門周囲に発生する病気には、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどがあります。特に会陰ヘルニアは治療が難しい病気ですが、去勢によってリスクを低減できます。特に断尾したウェルシュコーギーについては、発症リスクが高いのでご注意ください。

計画していなかった子犬がうまれない

望まない交配が起こることがないため、無計画な繁殖がありません。

去勢のデメリットは?

肥満リスクの増大

一般的に去勢後はホルモンバランスが変化し、食事の必要量が減少します。必要な摂取カロリーがおおよそ70〜80%になります。食事量や運動量の調整を怠ると、肥満になる可能性が非常に高いためご注意ください。

早すぎる去勢はNGです!

特に生後4ヶ月が過ぎるまでは麻酔のリスクが高いと考えられており、早過ぎる時期での全身麻酔は避けた方が良いでしょう。アメリカで生後3〜4ヶ月までに「早期不妊手術」が多く行われ、その安全性に関しても問題ないという情報もありますが、そもそも日本で飼われている家庭犬で早期不妊手術を行う理由やメリットはあまりないと考えられるため、実施の時期はかかりつけの獣医師と相談し慎重に決定しましょう。

去勢をすれば問題行動がなくなるのは本当?

これは寄せられる中で多い質問のひとつです。

・他の犬を敵視しすぎて遊べないため、去勢を検討している
・噛み癖がひどく困っているので、早く去勢をすべきなのか?
・吠えすぎて近所迷惑になっているが、去勢手術で改善できるか?

上記のような、去勢手術と問題行動に相関があるのかどうかを尋ねられることがよくあります。
去勢手術が問題行動を改善させるのか? と聞かれると、答えは「イエス寄りのノー」です。減少する可能性は十分にありますが、問題行動は性ホルモンによる影響が関わることもなくはないですが、ほとんどが性ホルモンと無関係で、犬の「学習」が大きく関わる場合が多いです。