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BLOG年齢を重ねるにつれて、罹患リスクが高まるとされている「白内障」。
ヒトの場合、50代の約4割が発症するといわれている疾患です。
近年は比較的簡単な手術によって治療できますが、ワンちゃんの場合はどうでしょうか?
本記事ではワンちゃんの白内障について、詳しく掘り下げて解説します。
白内障に罹患すると、目の奥でピントの調整をしている水晶体が濁ってしまいます。
普段ヒトやワンちゃんが何かを目にするとき、入り込んだ光を角膜で屈折させて瞳孔で香料を調節します。そして水晶体でピントを合わせたのち、網膜で電気信号となった像が脳に伝わる仕組みです。
水晶体は必要に応じて厚みを変化させ、ピントを調整しています。本来は透明ですが、何かの拍子に濁ってしまうと見え方が大きく変化するでしょう。網膜に、鮮明で美しい像を映せなくなってしまうのです。
ワンちゃんの白内障は、遺伝によるものがほとんどです。
中でも「柴犬」「ミニチュア・ダックスフント」「トイ・プードル」「ヨークシャー・テリア」「シー・ズー」
「アメリカン・コッカー・スパニエル」などが好発犬種とされています。
ヒトと違って若いうちに発症するケースが多く、糖尿病に罹患すると併発しやすいのも特徴です。またブドウ膜炎から続発して起こったり、ケガなどがきっかけとなったりする場合もあります。
もちろん加齢も要因の一つですが、それだけではないことを押さえておきましょう。
ワンちゃんの白内障は、進行の度合いによって4つの段階に分類されています(初発・未熟・成熟・加熱)。
初発白内障の段階で水晶体は若干の濁りを見せますが、視覚への影響がほぼないので発覚する可能性は低いです。
成熟白内障になったあたりから、目がハッキリと白くなります。家族が気付いた頃には、視力に何らかの影響が出ているでしょう。
加熱白内障では最悪の場合、濁った水晶体が溶解する恐れがあります。
ピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、白内障の主な症状は、水晶体の濁りとそれにともなう視力の低下です。基本的に無痛ですが、加熱白内障になると溶解による炎症で痛みを起こす可能性があるでしょう。
診断については、眼科診療および一般的なほかの検査によって行われます。眼科診療では視覚検査や反射検査、検眼鏡検査や超音波検査などを経て視覚の状態に診断を下します。必要に応じて、ほかの専門的な検査が実施されることもあります。
一方で動物病院によっては、専門性に長けた検査を行えない場合があります。目の状態によって必要な検査は異なるので、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。
眼科診療が終了したら、原因を調査するために全身状態のチェックも行います。
白内障は一度罹患すると、根本的な治療ができない難しい疾患です。
初発白内障の段階で家族が気付ければベストですが、見た目で判断することは非常に難しいでしょう。かかりつけの動物病院で、定期的に検査を受けるのがおすすめです。動物病院によっては、健康診断の検査項目として含まれていることもあるかもしれませんね。
好発犬種である場合は、若いうちから特に気にかけてあげることが大切です。
「一度罹患すると治らない」と言われると、かからないようにするための予防法を知りたくなりますよね。
しかし残念ながら、現段階で有効な予防法は確立されていません。
ヒトの場合は加齢以外に、紫外線や喫煙習慣といった環境要因も発症を左右するといわれています。そのためサングラスの使用や禁煙などが、有効な対策と考えられるでしょう。
また加齢への対策については、抗酸化作用があるβカロテンやビタミンC、ゼアキサンチンやルテインを積極的に取り入れることが有効だとされています。
しかしワンちゃんの場合、遺伝によって発症する可能性が高いです。
そのため有効な予防法が、ヒトと共通しているとは言い切れません。可能性を信じて、抗酸化作用がある物質を適度に与えるのはよいかもしれませんね。
ただし、全体の栄養バランスを崩さないよう気を付けましょう。
白内障といえば、先日私の母親が手術を受けて成功したところでした。
ワンちゃんも、罹患したときは手術が必要なのかな?と考えさせられますよね。
しかし視力を失ったワンちゃんでも、モノにぶつかることなく室内を走り回ることが可能です。同じ病名でもヒトとワンちゃんとでは原因や症状が異なることを理解し、違った視点で捉えることが大切なのかもしれません。
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