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BLOG前回に引き続き、ウサギのしこりや腫瘍の分類について説明します。
前の記事と併せて、ぜひご覧になってくださいね。
主な症状は陰嚢の肥大で、中に膀胱が入っているケースが大半です。そのため排尿障害や膀胱炎、砂粒症(膀胱内スラッジ貯留)などを併発する可能性があります。
これらはレントゲンでチェックできる場合が多いので、動物病院へ連れて行った際は撮影・確認してもらいましょう。
症状が認められた場合、陰嚢切開をして膀胱を腹腔内へ戻すという外科手術が必要です。再発防止のために、去勢手術も行う運びとなるでしょう。
「Treponema paraluis-cuniculi」の感染によって発症する疾患で、症状は多岐にわたります。
紅斑や痂疲、腫脹、くしゃみや鼻水、目ヤニや涙、排尿障害などが代表的です。
痂疲は口唇や鼻腔、眼瞼、そして陰部や肛門の周りに生じがちです。痂疲が厚みを増して、できもののような見た目になっていることもあるでしょう。
メスの場合は子宮内膜炎になり、不妊や流産の原因となることもあります。
実は「感染しても発症しない」というケースも珍しくありませんが、不適切な飼育環境に置かれると、ストレスで免疫抑制が起こって発症しやすくなります。
その他に分類されるのは、良性のしこりやできものが大半です。例外として悪性の腫瘍が分類されることもありますが、痛みはなく元気で食欲も通常通りです。
ただ悪性の場合、放っておくと自壊や転移につながる可能性があります。経過観察がベストの選択肢であるとは限らないことを、頭の片隅に置いておきましょう。
ちなみに脂肪腫や毛芽腫、毛包嚢胞などが良性の体表腫瘍に分類されます。一方で悪性の体表腫瘍に分類されるのは、メラノーマや骨肉腫、扁平上皮癌や皮膚型リンパ腫などです。
今回は、ウサギの体表に生じるできものについて詳しく説明しました。
2回にわたって紹介した6つの分類は、特に発生頻度が高いできものです。
難しい単語が多くて理解しにくかった人のためにまとめて解説するので、ポイントだけでも押さえておいてくださいね。
【腫瘍】…顎や頬、口周りや目の下が腫れている
【乳腺腫瘍】…4歳以上の、メスのウサギの腹部に生じやすい
【精巣腫瘍or陰嚢ヘルニア】…陰嚢が肥大している
【ウサギ梅毒】…口唇や鼻腔、眼瞼、陰部や肛門の周りに痂疲ができている
【その他】良性の腫瘍が大半であるが、悪性の腫瘍が分類されることもある
以上のことを知っておけば、ウサギの体表にできものを見つけても落ち着いて対処できると思います。
動物病院へ連れて行った際も、獣医師へ説明しやすいのではないでしょうか?
一緒に生活しているウサギの皮膚に異常を感じた場合は、今回の内容を参考にしつつ動物病院で診てもらいましょう。
以前は「ウサギの腫瘍や癌治療」といえば治療の選択肢が限られていましたが、近年は最新の医療によってその状況が改善されつつあります。治療成績も飛躍的に向上しているので、適切な治療を受けて健康な状態にしてあげましょう。
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