いぬの病気について

いぬの病気について

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いぬの病気について

犬は人間のように痛みやだるさを表現しないため、調子が悪いのかどうかがわかりづらいところがあります。
犬で重要な病気の特徴を知っておき、普段から愛犬をよく観察をして、病気の症状が出ていないか気づいてあげることが大切です。
ここではよくある病気の症状チェックと対処法をご紹介します。

犬の誤飲・誤食(異物摂取)

犬の異物誤飲は、特に多く発生する緊急の問題です。
特に好奇心・食欲が旺盛な幼犬期から若い時期の犬に多く、身近なものから予想を超えるものまで様々なものを飲み込んでしまいます。
大きく消化できないものやヒモ状のものは腸閉塞を起こす危険性が高く、体内に吸収される薬や一部の食品は中毒の危険性があります。
飼い主様が常用されているお薬(高血圧の薬や安定剤など)を飲んでしまうケースも多く、体格が人間よりかなり小さいペットにとっては非常に危険です。

症状チェック

  • 飲み込んだ直後や害のないものであれば無症状
  • 腸閉塞の場合、元気が急になくなり何度も吐く
  • 中毒の場合摂取したものにより症状が大きく異なる

(例)薬・・・急なふらつきや眠気、震え、嘔吐、下痢など チョコレート・・・震え、嘔吐、下痢、重度で痙攣や意識障害など ネギ・・・嘔吐、血尿(血色素尿)、貧血など)

対処方法

家で吐かせようとする方がいますが絶対に避けましょう。家で吐かせることは困難ですし、場合によっては激しく咬まれてしまい、飼い主が大怪我をしてしまうケースもあります。
まずは、「いつ」、「何を」、「どれだけ」誤飲してしまったのかが重要です。問題がありそうな場合は、なるべく早く病院を受診していただくことが重要です。判断が難しい場合は病院にお電話ください。
また、病院に到着したら、誤飲したことを受付に伝えてください。なるべく早く吐かせる処置が必要な場合もあるためです。

普段から夜間などの緊急時に受診できる動物病院や、異物摘出を行うことができる消化管内視鏡(胃カメラ)を所持している動物病院を把握しておくことは重要です。当院は消化管内視鏡を完備しているため、麻酔下で異物の摘出を試みることができます。

子宮蓄膿症

避妊手術をしていないメス犬のおよそ60%ほどで発症するともいわれる緊急性の高い病気です。
メス犬は半年に一度、発情を迎えます。俗に犬の生理と呼ばれる発情出血も見られることが多いですが、これは人にみられる生理とは全く仕組みが違い、子宮内膜の充血で血液が外部に出てくるだけで子宮内膜は温存され続けます。また、発情期の後に来る黄体期と呼ばれる時期に子宮が細菌感染に弱いタイミングがあり、これらが犬で子宮蓄膿症が頻発する要因と考えられています。
手遅れになると、腎不全、貧血を起こし、最終的にはDICと呼ばれる状態におちいり死に至ります。

症状チェック

  • 元気がない
  • 熱がある
  • 陰部から膿が出る
  • 食欲がないわりに水はよく飲む
  • 発情出血(犬の生理)が来た1〜2ヶ月後にまた陰部からの出血がある

対処法

避妊手術を行うことで予防ができます。若い年齢のうちに実施することをお勧めします。
避妊手術をしていないワンちゃんの場合は、なるべく早く異変に気付き病院を受診しましょう。
基本的な対処法は手術です。膿が溜まった子宮と卵巣を摘出し、蓄膿した子宮から全身に回った毒素(エンドトキシン)の影響から離脱できれば完治します。
手術以外の方法は推奨されませんが、麻酔がかけられないほどの心不全の犬や、どうしても子供を残したい若い犬の

場合などに手術を回避して内科治療を試みることがあります。Alizin(アリジン)という注射薬による治療が有名ですが、日本国内未承認薬のため海外薬を輸入して使用する必要があります。

小型犬の膝蓋骨内方脱臼

膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼とは、膝蓋骨が正常な位置より内側あるいは外側にはずれた状態で、小型犬では内側への脱臼が多く認められます。
原因には遺伝的な要因の強い先天性(成長性)と、打撲や落下や転倒などによる外傷あるいは栄養障害による後天性のものがあります。症状がないことも多いですが、常にびっこをひくような場合や、急に後ろ足を上げて3本足で歩いたり、びっこの後に足を伸ばしてすぐに歩き出すワンちゃんもいます。

膝蓋骨(しつがいこつ)脱臼とは、膝蓋骨が正常な位置より内側あるいは外側にはずれた状態で、小型犬では内側への脱臼が多く認められます。
原因には遺伝的な要因の強い先天性(成長性)と、打撲や落下や転倒などによる外傷あるいは栄養障害による後天性のものがあります。症状がないことも多いですが、常にびっこをひくような場合や、急に後ろ足を上げて3本足で歩いたり、びっこの後に足を伸ばしてすぐに歩き出すワンちゃんもいます。

症状チェック

  • 後ろ足が、O(オー)もしくはX脚
  • 後ろ足を急にあげて3本足で歩くことがある
  • 足の曲げ伸ばしをすると、コリッという音(感触)がすることがある

対処方法

獣医学的には脱臼の程度でグレードⅠ~Ⅳに分類されます。一般的に、グレードⅡ以上で頻繁なビッコなどの症状がある場合は手術の適応となります。
また、進行性のものですので、1歳未満でグレードⅡ以上であれば手術の適応となります。当院でも比較的行われている手術ですが、外科手術にはグレードによって様々な術式が組み合わせて用いられます。手術はグレードが高くなるほど複雑で、再発のリスクも高くなっていきます。グレードⅣまで進行してしまうと全く違った手術方法が必要になる上にきわめて難易度の高い手術になってしまうため、グレードⅣに進行する前に対処しましょう。

僧帽弁閉鎖不全症

犬で最も多い心疾患で犬の心臓病のおよそ75%を占めます。心臓では血液が一定方向に流れる為に、心臓の内部に逆流を防ぐ逆止弁がついています。その弁の1つ、僧帽弁が加齢などによって変性し、血液が心臓の内部で逆流してしまう病気です。逆流が生じると、心臓や肺で血液の流れが滞り、様々な症状が現れます。中高齢の小型・中型犬に多く、特にキャバリア、マルチーズ、チワワ、シーズーに多く見られます。

症状チェック

  • 重症化で呼吸困難や失神
  • 散歩で立ち止まるようになった
  • 咳をする(犬の咳は喉に何かが引っかかったような仕草)

対処方法

心臓の聴診や心エコー検査などで早期に発見することができます。治療法として心臓手術も挙げられますが、ごく限られた施設で行われる方法で費用も高額となるため一般的ではありません。通常は定期検査と薬物を用いた内科的治療を継続していくことが重要となります。徐々に進行してしまう病気ですが、心臓の負担を軽減し生活の質の改善することを目標とし、心臓の状態に合わせて血管拡張薬、強心薬、利尿剤などを使用していきます。軽度から中等度の症例では、治療により安定した状態を年単位で得られる可能性があります。

初期は症状が無いか軽度なため見過ごすことが多い病気です。中高齢になったらできれば年に2度は健康診断を受けて早期発見をしましょう。
当院はACVIMという世界基準のガイドラインに沿って検査治療と薬の選択を行っているため、安心してお任せください。

椎間板ヘルニア

犬で最も多い脊髄疾患です。脊椎(背骨)の間にありクッションの役割がある椎間板が、脊髄が通っている脊柱管に飛び出して脊髄を圧迫することによって発症します。飛び出した部位や脊髄の圧迫の程度により症状が異なります。遺伝的に椎間板が硬くなってしまう犬種や、加齢、高所からの落下や事故などが原因となります。特にダックスフント、ビーグル、シーズー、ペギニーズなどは軟骨異栄養性犬種と呼ばれ、椎間板ヘルニアを発症する確率が非常に高く、比較的若齢(3〜5歳)での発症が多く見られます。

症状チェック

  • 足がふらついている
  • 段差の昇り降りを避ける
  • 背中を丸めて動こうとしない
  • 以上の症状の割に食欲はある
  • 体を触ったり抱こうとするとキャンと痛がる・嫌がる

対処方法

脊髄の圧迫が軽度であり、痛みだけの場合や足の麻痺の症状が軽い場合は安静と鎮痛剤などの投与で治療していきます。ただし発症から3〜4日間は急速に悪化することも多いため、麻痺の悪化がないかをしっかりと判断する必要があります。根本的な治療は脊髄を圧迫している椎間板を手術で除去する方法です。症状が重度で時間が経ってしまった場合は手術をしても回復に時間がかかり、足の麻痺や排尿障害などの後遺症が残ることがあります。
まずは本当に椎間板ヘルニアが疑われるかの診断と、重症

度を判断する5段階のグレード評価が必要です。なるべく早く動物病院を受診し、悪化の徴候を見逃さず、必要であれば躊躇することなく手術に踏み切ることが重要です。手術に踏み切る前にMRI検査を行うことが理想で、MRIを備えている病院をご紹介します。手術が実施できる病院も限られますが、当院で多く実施している手術ですのでご相談ください。

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