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BLOGこんにちは。院長の石川です。
先月は犬の前十字靭帯断裂症に対するTPLOの実施がありましたが、一件はトイプードル3kg、もう一件はロットワイラー40kgの子でした。
大型犬の前十字靭帯断裂症は多く発生しますが、日本では大型犬の飼育が少ないため、小型犬や中型犬に比べるとそれほど診断する機会は多くありません。
前十字靭帯断裂症の破行の程度はその子により様々で、体重をほとんどかけられない場合もあれば、(特に小型犬では)飼い主が断裂に気付いていない場合もあります。
大型犬の前十字靭帯断裂症の歩き方を掲載します。参考にしていただければ幸いです。(掲載を快諾いただいた飼い主様ありがとうございます)
左後ろ足の破行(びっこ)の様子です。体重を左後ろ足にかけられない状態です。

左後ろ足の膝から足根(足首)のレントゲン写真です。
体重を支えられない答えはこの画像に表れています。膝の脛(スネ)の骨が前方にせり出しています。

TPLO手術後の写真です。骨を切り回転させ、TPLOプレートと8本のスクリューで固定しました。
手術前と違い脛骨が後方に位置しています。

TPLOプレートは骨の大きさに合わせて非常にたくさんのサイズがある上に、左右が異なります。
当院は基本全体重対応できる在庫があります。が、82kg以上の超大型犬種のさらに大柄な子に対応できる在庫はないため、グレートデン、マスティフ、セントバーナードなどの超大型犬種のTPLOをご希望の飼い主様は事前にご相談ください。

今回使用したのは右のプレートです。ちなみに3kgのトイプードルさんに使用したのは左のプレードです。
大きさが全然違います!
ちなみに、TPLO手術の難易度は、3kg・40kg、どちらが難しいと思いますか?
これはもう、圧倒的に3kgの子のTPLOです。比較にならないレベルです。
3kgの子のTPLOは1mmズレると失敗する!くらいのイメージです。
個人的には体重が3.0kg前後を下回るとTPLO実施はとても怖いです。対象となる骨がとてもとても小さいためです。
また、前十字靭帯が切れたらとりあえずTPLOしておけばいいのか? といいますと、そんな単純ではありません。
診断時の評価がとても大事です。
参考に、今回の【手術前→手術→退院→その後】の流れを記します。
・診断時に手術計画用のレントゲン写真を丁寧に撮影
・専用のソフトウェアでTPLO設計図を作成し必要なプレートとスクリューの在庫確認
・手術当日の午前に絶食で来院
・手術時間は4時間(毛刈り消毒・半月板探査・縫合などを含め)
・入院は4日間で、元気に歩いて退院
・手術後12日で抜糸に来院(スムーズな歩行を確認)
・手術後6週間は「走る・跳ぶ・滑る」が無いようにする
・順調なら手術後10週過ぎたら運動制限解除予定
以上です。
最後に、手術後39日目の歩様動画を以下に載せます。
引き続き手術手技の洗練に努めてまいります。
獣医師の方々からのご紹介も治療に尽力いたしますので遠慮なくお問い合わせください。
名古屋みらい動物病院 院長 石川

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