愛猫の春の健康を守る3つのポイント【後編】

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愛猫の春の健康を守る3つのポイント【後編】

先住猫の心身をしっかりとケアしましょう

春は別れと出会いの季節です。ふとしたきっかけで、新しい子猫を飼うことになったり保護したりするというケースは決して珍しくありません。
飼い主にとって家族が増えることはとても喜ばしいですが、先住猫からすると大きな環境の変化が生じます。ネコの性格によっては、多大なダメージを受けることになるでしょう。
新しくネコを迎え入れる場合は、飼い主さんの好み以上にネコ同士の相性が大切です。できればお試し期間を設けて、先住猫の様子を見ながら検討するのがよいでしょう。
迎え入れることが決まってからも、徐々に距離を縮めて慣らすことが大切です。

もっとも重要なのは「先住猫ファースト」という考え方

子猫が新しい家族となる場合、色々と手がかかって飼い主さんの時間が取られやすくなります。しかし先住猫ファーストを徹底し、ストレスをできるだけ和らげてあげることが大切なポイントです。自分のテリトリーに変化が起こって危機感を抱いているネコちゃんを、しっかりとケアしてあげてくださいね。
とくに1匹だけの状態から多頭飼いになった場合、先住猫が突然体調を崩す可能性も考えられます。食事もスキンシップも声かけも、すべて先住猫ファーストで行うよう心がけましょう。

トイレチェックはネコの性格やクセを見極めるのがポイント!

多頭飼いの場合、数が増えれば増えるほど管理が大変になります。食事は部屋を分けたり食べる様子をチェックしたりすることで管理できますが、トイレの管理は一筋縄ではいきません。
ネコ用トイレは「頭数+1個」用意するのが理想ですが、たくさんあっても専用の場所を決めて使用するわけではないので大変です。排泄物の回数や状態を、個体ごとに確認することが難しくなるでしょう。
1匹1匹の健康管理を徹底するためにも、排泄時のクセを把握しておくことが大切です。
「このネコはトイレの隅っこで排泄しがち」
「あのネコはここのトイレが好き」
など、個性を知っておくのもよいでしょう。日頃から観察を行い、各個体の行動パターンを知っておいてください。難しい場合は、トイレ付近にカメラを置いてチェックするのもおすすめです。

フィラリア症および花粉症対策について

気温の上昇にともない、植物はぐんぐん育って生き物はどんどん活発化します。それと同時に、春先は季節中による感染症やスギ・ヒノキといった花粉に悩まされる時期でもあります。ネコちゃんも、花粉症にかかる可能性は十分に考えられるのです。

ネコにも感染の可能性がある「フィラリア症」とは?

春はマダニやノミといった、寄生中の活動も活発化する時期です。場所によっては、蚊も多く飛ぶようになるでしょう。
春先以降に注意してほしいのが「フィラリア症(犬糸状虫症)」で、イヌだけでなくネコにもリスクがある感染症の一つです。
フィラリア症は、蚊が「フィラリア(犬糸状虫)」という寄生虫を運んで感染する病気です。和名には「犬」という字が入っていますが、ネコにも感染の可能性があることを知っておいてください。

フィラリア症は予防が大切!

体内にフィラリアをもつ蚊がネコを刺すと、幼虫が体内に入り込んで成虫となります。そして肺や心臓の血管に寄生し、発症するという恐ろしい病気です。
主な症状は呼吸困難や咳で、まれに突然死を引き起こすケースもあります。
犬ほどの発症率ではありませんが、ネコのフィラリア症は検査で見つけることが困難です。治療法も、残念ながら現段階ではきちんと確立されていません。
蚊は外部から侵入するため、完全に室内で過ごしているネコでも予防しにくいのが難点です。ある調査では、フィラリア症にかかったネコの40%近くが室内で飼われていたという報告もあるのだとか。
しかし近年は、ネコ向けのフィラリア症予防薬が開発されています。首のうしろにつけるスポットタイプを、春先から冬までの間は毎月一度投与するだけでOKです。とても簡単ですよね。
日頃から予防に励み、厄介な病気から大切なネコちゃんの身を守りましょう!
皮膚に滴下するタイプなので、飲み薬が苦手なネコを飼っている方も安心してくださいね。

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