オス猫の去勢の手順を解説

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オス猫の去勢の手順を解説

去勢の始まりから術後ケアまで

去勢の手術はどれくらい時間がかかるかご存じでしょうか。手術自体は短時間で済むもので、手術時間のみですと約4〜6分ほどで完了します。しかし手術時間は短いですが、全身麻酔をかけて手術をして、さらに安全に麻酔から覚醒させるという手順が必要で、全体で考えるとある程度の時間がかかり、オス猫には大きな負担です。飼い主さんは術前と術後どちらも猫に寄り添ってあげてください。飼い主さんも一緒に手術に向き合う気持ちが大切です。

今回の記事では、動物病院での初回の相談から術後にどの様にケアをすれば良いかまでを解説しております。手術の推奨年齢もありますので、去勢手術のイメージが湧いたら是非早めにかかりつけ医などでご相談ください。

 

最初は動物病院に相談をしましょう

オス猫の去勢を検討されている方は、動物病院で手術時期などを相談すると良いでしょう。手術時期はオス猫の成長具合や体調などによって大きく変化します。もし相談して決まった手術日が近い場合は、相談日に手術前検査をすることもあります。

 

オス猫の去勢タイミングはいつが良いのか?

推奨している去勢タイミングは、生後6〜7ヶ月頃です。オス猫の性成熟が生後7ヶ月過ぎくらいからである為、そのタイミングで施術をすることをお勧めしています。性成熟を迎えてからの去勢手術の場合、マーキング行動に改善が見られないことも想定されますので、実施のタイミングに気をつけましょう。

 

術前に血液検査を行いましょう

去勢の手術前には、一般的に血液検査を行うことが最低限必要になります。去勢手術では全身に麻酔をする為、もし身体に異常を持っていた場合には、麻酔によって亡くなってしまうリスクがあります。その為、術前にはしっかり検査をして、内臓の状態や貧血などの状態を把握した上で手術を受けましょう。
当院ではさらに胸部レントゲン検査を実施しています。(性格的に撮影が困難な場合を除きます)

 

手術当日を迎えるまで

手術の日程は、ご来院時に予約をお取りすることが多いですが、すでに複数回ご来院いただいている場合はお電話で予約をお取りすることもあります。手術当日は朝のフードを与えないようにする必要があります。前日の夜から備えましょう。絶食の指示を守れていないと、全身麻酔の導入時のリスクが高まる場合があるので気をつけましょう。

 

手術内容について

去勢手術の内容は、外科の一種でオス猫の精巣を取り除く内容です。オス猫に全身麻酔を施し、精巣(睾丸)が収まっている陰嚢の皮膚を1〜1.5cmほど切り開き、精巣を確認後、精巣につながる精巣動静脈と精管をシーリングし摘出します。通常糸による皮膚の縫合は行いません。手術に必要な時間は麻酔の時間を除いて4〜6分ほどになります。

大半が日帰りで手術が完了しますが、オス猫の身体の具合や病院によって1泊ほど入院対応する場合があります。退院後は、約10日ほどで皮膚が癒合し、何事も無ければ全て完了です。

 

術後ケアについて

オス猫が手術後に傷を舐めたり噛んだりすると、傷がスムーズに回復しなくなる為、注意が必要です。傷口を舐めるような場合にはエリザベスカラーを装着します。以前は手術後に抗生剤を使用することが一般的でしたが衛生的な手術をしていれば不要であると言われており、当院では手術後は痛み止めの薬のみで抗生剤を処方することはありません。

去勢手術がある日は、いつもよりも長時間飼い主と離れて生活する為、オス猫のメンタルにも負担が掛かり、病院から帰ってきてからも元気が無く、落ち着いていない場合もあります。手術当日は、飼い主はそっと見守ることが大切です。オス猫がいつも通り落ち着いてきたら、いつも通り接してください。

1週間ほどで一般状態や傷口も安定してくるので、その期間はオス猫に負担を掛けないように、猫を別の方に預けたり飼い主が遠出をするなどは控えた方が良いでしょう。

また、手術後に落ち着きが戻らなかったり普段と違う様子を感じた場合には、早急に動物病院で診断を受けることを推奨しております。

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