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BLOGこんにちは。院長の石川です。スギ花粉の気配を肌で感じる今日この頃です。
今回の記事はやや専門的すぎるので、普段犬の診察をしている獣医師の方にも参考になるかもしれません。
2026年に入り、整形外科手術も多く実施しています。当院の最近の手術実施傾向としては、骨折の手術よりも膝蓋骨内方脱臼や前十字靭帯断裂の手術の実施が多い印象です。
前十字靭帯断裂症に対するTPLOの実施が4週連続で続いており、あらためて犬の膝のトラブルが多いことを感じています。
膝蓋骨脱臼がある犬は前十字靭帯断裂を起こしやすいことが知られています。
この場合の手術の実施はどの方法が最適か議論のあるところですが、近年ではTPLOに工夫を加えた「TPLO-M」という方法が用いられることが多くなってきました。
ただ、この方法に用いられることが多かったのは従来型の骨折整復プレートを曲げたものがメインで、なかなか形や強度に不安があり、採用しやすい新しいTPLO-M専用プレートの登場が期待されていました。
そこで登場しました。
Movora社の「Adaptive TPLO-M Plate」です!

途中でクランク状に曲がっていることが特徴です。
治療する立場から悩ましいのが、とてもサイズ別の種類が多いことです。しかも通常のTPLOプレート同様に左右が別です。
実際的に使用することが多いサイズの2.0mm・2.4mm・2.7mmサイズを揃えるにしても、各サイズで曲がり幅の大きさ別に3種類、さらに左右が別なので、18種類もあります。
これを在庫するとなると、すでに在庫している通常TPLOプレートに加えることになるので、TPLOプレートだけでおよそ渋沢氏100人以上に相当します(泣)
さすがに種類を絞って在庫しようと思います。
早速実際に手術に使用しました。
術後レントゲン正面写真です。(2.0mm Adaptiv TPLO-M Plate 2mm Step)

骨を切り、下側を外側(左側)にズラして固定しています。こうすることで内側にズレた膝蓋骨の位置が外側に引っ張られることになります。TPLOにズラす固定を加えたものが「TPLO-M」ということです。
従来のMovora社のTPLOプレートと形・厚み・スクリューホールの配置など全く違うので、TPLO手術に慣れていない獣医師が使用する場合には注意が必要かなと感じました。
ご不明の点はお気軽にお問い合わせください。他院様からのご紹介もしっかり治療してご報告いたします。
