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BLOGしばらく暑い日が続いていますが、いかがお過ごしですか?夏バテになっていませんか?
実は夏バテは、人間だけでなくイヌやネコにも起こり得る症状です。
今回はイヌやネコの夏バテを取り上げ、主な症状や適切な対処法、混同しやすい似た症状の病気などを紹介します。
本記事を参考にしつつ、暑い季節を乗り切っていただければ幸いです。
イヌやネコの夏バテの症状は、人間と酷似しています。
身体がダルくなって食欲がなくなったり、疲労が蓄積しやすくなったりするでしょう。目の輝きがなくなり、全体的にゆっくりとした動きになるのも危険なサインです。
イヌの場合は睡眠時間が長くなったり、散歩を嫌がるようになったりすることもあります。
一方でネコは、普段から昼間によく寝るのが特徴です。散歩に行くネコも少数であるため、変化が出にくいといえるでしょう。食欲に着目すれば、ちょっとした変化にも気付けるかもしれませんね。
イヌが口を開けて「ハッハッ」と荒く呼吸しているのを、見たことがありますよね。あれは「パンティング」といって、口腔内の水分の気化熱を利用して体温を下げるという行動です。夏場は水分が不足しやすくなるため、注意が必要です。
また夏バテが進行し、体内へ熱がこもると熱中症のような症状が現れます。
イヌもネコも嘔吐や下痢を繰り返し、軟便が散見されるようになります。最終的に脱水症状を引き起こし、体内の水分が15%失われると非常に危険な状態を招きます。
腎臓や循環器に悪影響を及ぼすこともあるため、予防が大切です。
イヌやネコが夏バテになった際は、次の3点に注意してください。
まずは暑さを取り除き、朝と夜の寒暖差を極力なくす取り組みをしましょう。エアコンを活用して部屋の温度をコントロールし、できるだけ一定の室温を維持することが重要です。
食欲がないときは、食べたものを消化しやすくする工夫を。をお湯で軟らかくして食べさせたりするのがおすすめです。普段の食事に肉のゆで汁をかけて、食欲増進を図るのもよいかもしれませんね。
水分は、イヌやネコが好きなタイミングで飲めるようにしておいてください。水を入れた容器を、色々な場所へ置いておくのが望ましいです。必要に応じて、口元まで水を運んであげましょう。
私たち人間は、適切な室温を維持しながら正しいリズムで生活すれば夏バテを防げますよね。イヌやネコも、それと同じです。
前述した3つのポイントに注意しながら、イヌやネコの体調管理をしてあげましょう。
何らかの異常が見られる際も、まずはエアコンの温度を調整して様子を見ることが大切です。併せて食事の工夫や、定期的な水分補給も行ってください。
中でも身体機能が成熟していない小さなイヌやネコ、免疫力や体力が衰えているであろう高齢のイヌやネコには注意が必要です。
温度と室温・食事・水分の調整で改善が見られない場合、ほかの病気が原因かもしれません。
可能性として、次の病気が考えられるでしょう。
栄養不足や突然の出血などが原因で、貧血を起こしている可能性があります。
多くのノミが寄生し、貧血を招いているケースもあるでしょう。草丈が伸びた草むらには、たくさんのノミが潜んでいるので散歩の際は気を付けてください。
体内で出血していると、すぐに気付けないこともあるため注意が必要です。
イヌにも起こりうるのが、熱中症です。
夏バテは徐々に体力が衰えるのに対し、熱中症は突然症状が現れてすぐに悪化します。ぐったりしている、あるいはヨダレが大量に出ているときは要注意です。
舌や歯茎が白っぽい色をしていたり、頻繁にパンティングをしたりするのは熱中症の危険なサインと判断してよいでしょう。
夏バテの症状だけでなく、嘔吐や排便障害(ウンチがなかなか出ない)が見られるときは胃腸炎の可能性があります。ストレスや寄生虫による感染、誤食など色々な原因が考えられるでしょう。
動かずジッとすることが増えたり、胃液のみを何度も吐いたりする場合は腸閉塞が疑われます。胃腸炎と同様、夏バテの症状に加えてこれらの症状が現れるのが特徴です。
誤食や、ストレスによる毛づくろいのしすぎでできた毛玉を食べることが主な原因となります。最悪の場合は腸管が壊死してしまう、非常に危険な病気です。
尿道や尿管、膀胱などに結石ができる病気です。夏バテの症状とともに、排尿障害が出るのが主な症状です。
血尿や尿の濁り、トイレへ行っても尿が出ていない(量が少ない)場合は注意が必要です。
夏バテの症状に加え、嘔吐や排尿過多(水分を多く摂り多量の尿を出す)などの症状が現れます。
これまでに尿石症や脱水症状になったことがあるネコ、歯周病の既往歴があるネコはかかりやすいので注意してください。
今回は、イヌやネコの夏バテ症状について解説しました。
症状が軽度であれば、食事や水分、湿温度の見直しにより回復が期待できます。
ただ、様子を見てもよくならない場合はほかの病気が潜んでいるかもしれません。
心配な方は、かかりつけの獣医に診てもらいましょう。
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