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去勢するべき?犬の去勢に最適な時期はいつ?

2020年06月08日
家族が増えてオスのワンちゃんを初めて飼う場合に、去勢手術の是非やタイミングを悩む方がいらっしゃいます。周りに詳しい方がいないと、相談できずズルズル悩んでしまいますよね。
ここでは、去勢手術の最適なタイミングやメリット・デメリット、よくある相談をまとめてご紹介します。困っている飼い主さんのお力に、少しでもなれれば幸いです。

去勢手術とは?

去勢手術を端的に言うと、「オスの精巣を摘出する手術」です。全身麻酔をした状態でワンちゃんの皮膚の一部を数センチ切り開き、摘出を行います。手術中は呼吸・体温・心拍・血圧などのバイタルチェックを行いつつ、慎重に進めます。当日の診察だけでなく、健康診断や手術前の検査も必要不可欠です。

雄のワンちゃんを飼うことになったら…去勢手術を検討しましょう!

「去勢手術」は人間にも存在する医療行為ですが、実際に受けた方の数はワンちゃんよりもはるかに少ない数字です。そのためなかなか身近に感じられず、「全身麻酔をして精巣を摘出する手術」と聞くと大変恐ろしい手術を想像してしまいます。ワンちゃんがかわいそうで、なかなか手術に踏み切れないという話もよく耳にします。
しかし去勢は、ワンちゃんにとってとても大切な手術です。人と違い、メスのワンちゃんを目の前にすればオスの本能で近づこうとしますが、飼い主はそれを許しません。オスはオスとしての本能を発揮することを許されず、ストレスを抱えて生活することになります。そういったストレスから解放してあげたり、望まない交配をしたりということがないよう、去勢手術を前向きに検討しましょう。また去勢手術を行うことで、将来起こる可能性のある病気のリスクを低減されることが可能です。そのような意味でも、極力早めに受けることをおすすめします。

ベストなタイミングは生後半年〜8ヶ月ごろ

去勢手術を行うのは、ワンちゃんが性成熟する前がよいとされています。個体差はあるものの、大半の犬種が生後1年以内に性成熟を迎える傾向にあります。
よって去勢手術をするベストなタイミングは、生後半年~8ヶ月の間。犬種や個体差はありますが、この時期になると体の成熟やオス特有の行動(マーキングなど)が見られるためです。
ただし小型犬で生後半年頃はまだ乳歯の生え変わり途中のことが多いため、手術を実施する際に乳歯の抜歯をするかどうかを獣医師と相談の上、決定する必要があります。ちなみに当院では将来の乳歯の残存を防ぐために、基本的には残っている乳歯は抜歯することを推奨しています。
半年や1年はあっという間に過ぎてしまうので、飼い始めた時点で念頭に置いておきましょう。

性成熟を迎えたあとでも手術可能

もし上記の時期を過ぎてしまっても、手術ができないというわけではありません。成犬でも去勢はできますので、お考えの方はぜひ一度ご相談くださいませ。

ワクチンの際にぜひご相談ください

子犬を飼い始めたとき、もうひとつ気にすべきことが「ワクチンの接種」。子犬には少なくとも2~3回のワクチン接種を行うことが多いので、飼い始めは毎月のように動物病院を訪れるはずです。可能であればそのときに、併せて去勢手術の相談をしておきましょう。
なおワクチン接種済のワンちゃんを飼うことになった場合は、動物病院へ行く機会がないかもしれませんね。ワンちゃんの健康診断へ行くことがあれば、そのときに相談しましょう。健康診断も済んでいる場合は、一度相談のために動物病院を受診するのがおすすめです。

去勢手術は即日対応ができません…。

去勢は動物病院だけでなく、飼い主さんやワンちゃんにとっても事前の準備が必要な手術です。思い立った日に、急に去勢手術を依頼するのはご遠慮ください。せっかくご来院いただいても、お断りされるケースがほとんどです。
去勢の時期を迎えるまでに一度動物病院へ行き、獣医師と相談のうえでスケジュールを決めることをおすすめします。なおその際には手術に関する説明を十分に受け、わからないことは極力クリアにしておきましょう。

去勢手術のご相談はお早めに

生まれて間もない愛犬に手術をさせることは、飼い主さんの心的負担も大きいことでしょう。しかし去勢手術を行うことは、ワンちゃんのストレス軽減や病気のリスク回避、そして望まない交配を避けるという大きな役割をもちます。
早い段階で、一度かかりつけの動物病院をご受診ください。またご家族とも話し合いをし、納得のいく結論を出しましょう。